O del mio amato benはイタリア歌曲
先日、カフェ、ベローチェに行きました。安定のコーヒーゼリー。
ベローチェでは、有名なクラシック音楽の編曲verが流れています。
編曲ものであると何の曲かパッとわからないことも結構あります。
だけど、この曲はすぐにわかった。
O del mio amato ben(オーデルミオアマートベン)
日本語では「ああ、私の愛する人の」
5年ぶりに耳にした旋律。
ああ、あの曲だ、と思いました。
5年前に大学のテストで歌った曲だったのです。
そしてこの曲の思い出が蘇りました。
歌の先生
歌の先生には16歳のときからお世話になっています。
何と今年で10年目の付き合い。
月日が経つのは早いです。
この先生に教えてもらった曲がO del mio amato benでした。
他にも色々教えてもらっているのですが、私が印象に強く残っているのがこの曲でした。
歌の先生には大学受験対策として2年間教わりました。
大学入学後は4年間イタリア歌曲を教わりました。
就職に向けて、日本歌曲を教えてもらい、最近は歌の指導についてもご指導をいただいています。
就職の際にもいろいろ気にかけていただいていたので、今回の退職の報告も一番に先生の元へ行きました。
実は先日、先生とお会いしたのは、実にO del mio amato benのテスト以来。
コロナによる専攻ごとの卒業式ではお会いすることができませんでしたから。
あの曲を歌った以来だったのです。
情熱的な歌詞に度肝を抜かれる
日本人だからでしょうけれど、イタリア歌曲の歌詞には毎度「ヒェ〜」と思います。
例えば、O del mio amato benでは2番でこんな歌詞が出てきます。
あなたがいないと昼間は夜に感じる。火は氷のように感じる・・・。
好きで好きで堪らない感情を具体的に表すこの感じ・・・。
大学で先生に
「だいすきな相手が目の前からいなくなってしまうのよ、苦しいのよ〜〜!!!」と言われ
「はぁ(わかりません)」と私。
感情表現が難しいだけでなく、歌詞の意味や感情を理解できないのだからどうしようもない(笑)
そしてわかろうともしないのが私の悪いところ・・・(笑)
イタリア歌曲集の歌詞の訳を読んで「おっとな〜」と思ったなぁ。自分も大人なのに(笑)
あのときはあまりにも情熱的な歌詞を読んでちょっと笑っていたりしたけれど。
今は・・・この歌詞を書いた人の気持ちがすごく伝わる!
ああ、私の愛する人の
昼間だというのに、夜のような暗闇を彷徨うことがあります。
ベローチェでO del mio amato benが流れてきたとき、
涙がツーっと伝わりました。
共感したのです、あの愛する人を想う歌詞に。
私はベローチェの窓際の席に座っていました。少しでも明るい方がいいから。
そのとき、恋愛で心砕かれたときだったから。
あの愛する人が目の前からいなくなったら、私は中身のない人生を送る・・・。
O del mio amato benの歌詞が深く刺さったのです。
イタリア歌曲を歌い恋愛の沼に共感する
ベローチェでO del mio amato benを聞いてから、私はこの曲を歌っています。
感情を込めて・・・笑。
もう、好きで仕方ないという気持ちだって、好きで苦しいという気持ちだってわかるんだから。
だから私はそれを表現するの〜♩
同居する家族はそんな私を見てどう思っているかわかりませんが(笑)、
恋に溺れず音楽に溺れた大学生の私は、想像しなかっただろうなぁ。
好きで苦しいこと。
好きで何も手につかないこと。
好きで幸せな気持ちになること。
O del mio amato ben
私のだいすきな大切な曲です。
テストは奇跡的にうまくいった
O del mio amato benのテストを受けた時のことですが、奇跡的にうまくいったのです。
奇跡的、というのは、歌詞を忘れずに歌い通せたからです。
・・・・笑
私はあまり良い生徒ではありませんでした。
当時夢中になっていたのはチェンバロ。
録音したレッスンを何度も聞いて、翌週のレッスンに向けて必死で練習していました。
心奪われていたのです・・・チェンバロに(笑)
なので歌はそっちのけ・・・。
テストの1ヶ月前にも歌えない私に先生も呆れていたでしょう。
「そろそろ暗譜しなさい」と優しく何度も言われた(笑)
本番直前にも歌詞が抜けないか間違えないかの心配しかなかったのですが、
本番は暗譜して歌えました。
1番だけ、のつもりが2番も歌うことになってしまい大焦りをしました。
「聞いていた話と違うぞ」と。
確か歌のテストは1番だけしか歌いません。
なのに一向に終わりを告げるベルを鳴らしてもらえない・・・。
本当に奇跡的に2番も暗譜して歌えました。ギリギリでした。
テストの後、普段は関わりのない歌科の先生に声をかけられました。
「いい声でした!」と。
歌の評価はいつもAでした。一番上はSです。
なのでA評価の私が教授に褒められるのは驚きで、嬉しかった。
そしてこの教授、なかなかすごい話があった。
ドイツの愛人を忘れられない先生
私の習っている先生ではなく、試験の時だけお目にかかる先生です。
この先生、ドイツに留学した際に愛人を作り、帰国と共に手放してきたけれど、今でもその人が忘れられないとか。
う〜ん、情熱的な話。
そして当時、大学生の私は大いに驚いたものです。
先生はO del mio amato benを歌うときに、ドイツの愛人を思い出すのかなぁ、って。。。
一曲耳にして、さまざまなことを思いました。
音楽と記憶の強いつながりを感じました^ ^
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